お世話になっております!新入社員の道守みちるです!
入社してはや9ヶ月。毎日大量のメールとスプレッドシートへの転記作業に追われ、「これが…社会の洗礼か…」と遠い目をしていたところ、Googleからとんでもないツールが出たという噂を聞きつけました。
その名も「Google Workspace Studio」。
実は前から思っていました。
メールの添付ファイルを保存して、その内容を台帳(スプレッドシート)に転記する作業、人類がやる必要ある?
GAS(Google Apps Script)を書けば自動化できるのは知っていますが、保守の工数を考えると腰が重い。まさにこの課題を解決するツールが「Studio」ではないかと思い、簡単にまとめました。
Google Workspace Studio とは?
簡単に言うと、「自然言語で構築できるiPaaS(Integration Platform as a Service)」のようなものです。
これまでは GAS や Zapier Make などで行っていたAPI連携を、Google Workspaceのネイティブ環境内で、かつノーコードで完結させることができます。
特徴
- Natural Language to Flow: 生成AI(Gemini)に「やりたいこと」をチャットするだけで、自動化フローが生成される。
- No-Code GUI: 生成されたフローはビジュアルエディタで修正可能。
- Built-in Security: Google Workspaceの権限設定がそのまま適用されるため、シャドーIT化しにくい。
#社長コメント
「3」めっちゃくちゃ重要ですね
実践:請求書処理フローを作ってみた
今回は検証として、以下のワークフロー構築を試みました。
【要件】 特定の件名のメールを受信したら、添付ファイルをドライブに保存し、受信通知をChatに飛ばす。
Step 1: プロンプト入力
Studioの「Create」画面にて、以下のプロンプト(指示)を入力します。
Gmailで件名に「請求書」を含むメールを受信したら、
添付ファイルをGoogleドライブの「/経理/2025_請求書」フォルダに保存し、
Google Chatの「経理部連絡」スペースに通知を送ってください。
Step 2: フロー生成(自動)
プロンプトを送信すると、数秒で以下のようなノードが生成・結合されました。
- Trigger: Gmail (New Email matching query)
- Action 1: Drive (Upload file)
- Action 2: Chat (Send message)
驚いたのが、パラメータの保管能力です。 通常なら「どのフォルダIDか?」「どのChatスペースIDか?」を手動設定する必要がありますが、プロンプトに含まれたフォルダ名やスペース名から、AIが候補をサジェストしてパラメータにセットしてくれました。
Step 3: テストとデプロイ
画面右上の「Test」ボタンでドライランが可能です。 問題ないことを確認し、「Activate」をクリック。これでデプロイ完了です。
所要時間、わずか3分。 GASで GmailApp.search() して DriveApp.createFile() して…と書いていた時間は何だったのでしょうか。
「Opal」との技術的な使い分け
最近話題の 「Opal」 と何が違うのか?という質問がきそうなので、簡単に整理しておきます。
| ツール名 | アーキテクチャ的役割 | ユースケース例 |
| Studio | Backend Automation イベント駆動でバックグラウンド処理を実行 | ・ファイル自動整理 ・承認プロセスの自動化 ・システム間連携 |
| Opal | Frontend Application 対話型UIを通じてタスクを実行 | ・ドキュメント生成ツール ・アイデア壁打ちボット ・特定タスク専用のChat UI |
- Studio は「パイプライン処理」
- Opal は「特化型エージェント」
と捉えると分かりやすいです。今回の「請求書処理」のように、人間の介在が不要なタスクはStudio一択です。
まとめと所感
実際に触ってみて感じたメリットは以下の3点です。
- 参入障壁の低さ: プログラミング未経験のメンバーでも、ロジックさえ組めれば実装できる。
- メンテナンス性: コードではなくGUIで見えるため、属人化(「あの人が辞めたら動かなくなった」)を防ぎやすい。
- AIの文脈理解: 日本語の揺らぎをかなり許容してくれるため、プロンプトエンジニアリングのスキルもそこまで要求されない。
#社長コメント
次のアクションとして、エラーハンドリング周りがどこまで細かく設定できるか、もう少し深掘りしてみてください。


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