お世話になっております!新入社員の道守みちるです!
「そこはクラウドにしましょう」と言われて、深く考えずに頷いたことがあります。
頷いたあとで、こう思いました。クラウドにすると、何がどう変わるんでしょうか。雲の上にデータが浮かぶわけではないことは、さすがに分かります。分かるのですが、それ以上が説明できない。
というわけで今回は、非エンジニア向けにこの2つを整理します。
- そもそもオンプレミスとクラウドは何が違うのか(家のたとえで)
- 費用の「出方」がどう変わるか
- クラウドにしても、自社に残る責任
まず言葉の整理から🤔
オンプレミス。英語の on-premises、直訳すると「敷地内で」。自社の中にサーバー(データや仕組みを動かすコンピュータ)を置いて、自分たちで面倒を見るやり方です。「オンプレ」と略されます。
クラウド。事業者が用意したコンピュータを、インターネット越しに借りて使うやり方です。物理的な機械は事業者のデータセンターにあり、自社には置きません。
家に例えると、こうなります。
- オンプレミス=家を建てて持つ。自由に改造できるが、屋根が壊れたら自分で直す
- クラウド=家を借りる。設備の修理は大家さんの担当だが、壁に穴は開けられない
【Point】違いは「どこに置くか」よりも、どこまで自分たちで面倒を見るかの線引きです。
向き・不向きを並べてみます
| 観点 | オンプレミス(建てる) | クラウド(借りる) |
|---|---|---|
| 始めるまで | 機器の手配と設置が要るので時間がかかる | 契約すれば比較的すぐ使える |
| 費用の出方 | 最初にまとまった金額 | 毎月・毎年の利用料 |
| 作りの自由度 | 高い | 用意された範囲の中で |
| 機器の故障対応 | 自社(または保守契約先) | 事業者側 |
| 使う人が増えたとき | 機器の増設が必要 | 契約の変更で対応できることが多い |
| やめるとき | 機器が手元に残る | データの持ち出し方を先に確認したい |
「安くなる」より「出方が変わる」のほうが正確です
クラウドの説明でよく「コスト削減」と書かれています。ただ、これは少し雑な言い方だと感じています。
変わるのは、まず費用の出方です。最初にどんと払っていたものが、毎月に分かれます。資金繰りの面ではありがたい一方、使い続ける限り払い続けることにもなります。
長い目で見て安くなるかどうかは、使う人数・使う期間・どこまで機能を使うかで変わります。「クラウドにすれば必ず安くなる」とは言えません。
この「最初に払うのか、毎月払うのか」は見積書にも表れます。そのあたりはITの見積もりで見ておきたい5つの欄のほうに書きました。
【最重要】クラウドにしても、消えない責任があります
ここがいちばん誤解されやすいところだと思います。
機器の故障や、機械そのものの管理は事業者側の担当になります。でも、次の3つは借りる側に残ります。
- 誰にどこまで見せるかの設定(権限の管理)
- アカウントの管理(入社・退職時の追加と停止)
- そこに何のデータを置くかの判断
賃貸でも、玄関の鍵を誰に渡すかは住んでいる人が決めますし、閉め忘れの責任も大家さんは取ってくれません。あれと同じ構造です。
【最重要】クラウドに移すのは、面倒を見る範囲が減るだけで、判断する仕事はゼロになりません。
で、どちらを選べばいいの?
正直に書きます。
【結論】「小さい会社ならクラウド一択」と言い切れるほど、わたしは材料を持っていません。
たしかに、新しく始めるならクラウドから検討するほうが自然な場面は多いと思います。ただ、業界のルールで保管場所が決められている場合や、すでにある機器がまだ充分に使える場合など、話が単純でないことは普通にありえます。
それに、多くの会社は「全部オンプレ」でも「全部クラウド」でもなく、その中間にいるはずです。両方が混ざっている状態は、中途半端ではなく普通の状態だと思います。
選ぶ前に、これだけは確認したい3つ
どちらを選ぶにしても、先に聞いておきたいことを3つに絞りました。
- やめるとき、データはどう取り出せますか(形式と手順)
- 止まったとき、誰がどこまで対応しますか(連絡先と時間)
- この料金は、何が増えると上がりますか(人数・容量・機能)
とくに1つ目は、契約するときに聞くのがいちばん楽です。やめたくなってから聞くと、たいてい急いでいるので。
なお、そもそも自社で作るか外に頼むかで迷っている方は、内製か外注かの判断チェックリストのほうもどうぞ。
……クラウドという言葉、名前がふわっとしているせいで、実態より大きな話に聞こえる気がします。中身は「借りるか、持つか」。そう思うと、少し話がしやすくなりました。

